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しかし、ここは一度立ち止まって考えてみたい。かつて先人たちは「商売人は商いのことだけ考えればよい」と言った。が、わが国の現状を振り返ってみてほしい。戦後の貧困時代から高度成長期を経ていまや成熟した先進国の仲間入りを果たした。この物が溢れ返った成熟した時代に、単なる「商い」だけで生き残って行けるだろうか。何を作っても安価な物しか売れない、サラリーマンの給料は上がらない。このようなデフレ経済はこの先も続くと思われる。この困難な時代を生き残るには、社会の中で必要とされる企業であるかどうか、道徳にかなっている企業であるかどうかにかかっていると言っても過言ではないだろう。この道から外れた企業はどんどん排除される時代である。ではどうするか。
それにはまずグローバルな時代に適応した広い視野を持つこと、社会性や国家観を持つこと、内外の政治や経済について自分の考えを持ち、論じられるだけの教養を身につけること。これからの時代で活躍し、尊敬される企業家はそういう人たちが主流になろう。
かつて渋沢栄一は「論語と算盤」という考え方を持ち、経済活動をするにあたって、「利益と道徳のバランスを持たなければならず、どちらか一方に偏ってもいけない」と論じていた。
そこで、弊会では、創業以来、「企業経営を通じて国と社会を考える会」を運営理念としてやってきた。企業経営者が内外の政治や経済の情報を収集することによって教養を高めるのが目的である。経営を高い所からグローバルな視点で判断し決断するには、自らの資質、能力、人格を高めることが不可欠だ。今、我々はそういった時代の真っただ中に生きているのではなかろうか。もはや、飲んだり食ったりだけという楽しい時代は終わったと思うのである。
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