| 「政民合同會議」活動報告 |
![]() 平成23年2月7日(月) 講師/富坂 聰 ジャーナリスト |
| 「中国経済の実力と今後の日中関係」
わが国は中国にGDPが抜かれたとされるが、中国経済の実態はGDPだけでは決して測ることはできない。中国のやることは随所に強さと弱さが見えてくる。香港の不動産市場や美術品オークションが空前の熱気を帯びているのも、いかなる政権下でも自分の財産を確保しようと躍起になっている富裕層の意識の表れだ。一方、圧倒的な数の人々が物価高、失業問題、格差拡大などの様々な問題に対して不満がガスのように吹き溜まり、火種次第でいつチュニジアやエジプトのように爆発してもおかしくない状況だ。社会主義なのになぜ平等な分配ができないのか。これは共産党のガバナンスが弱いためだが、この辺りを多くの日本人は理解していない。日本では「中国」の主語は一つで語られるが、実際には中国を操る絶対的な権力者というものは存在せず、一つの主語で語れる「中国」というものは存在しない。政策、法律一つにしても国と地方政府の運用の仕方はまちまちだ。どの程度までが中央の政策で、どこからが地方が勝手にやっているものなのか、日本が中国と付き合い続けるためには弱さも理解し、その権力構造を慎重に見極める必要がある。 尖閣諸島問題では、実は中国はオウンゴールで日本が勝ったと見ている。中国はレアアースの価格を下げることで世界市場を独占し、ハイテク産業を誘致して雇用増を狙っていたが、いまや各国が中国から撤退を始めている。日本は依然実効支配を守り、現実的に失ったものは何もない。上層部に行くほど、今のぬるま湯の現状に満足し保身に走っている現状を逆手にとって、わが国は有利な交渉を行うこともできるはずだ。中国は強いところもあれば弱いところもあり、まったく恐れる必要はない。 富坂氏は、地下経済、庶民の暮らしぶりについても事細かに言及。その後の質疑応答でも活発な議論が繰り広げられた。
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