「政民合同會議」活動報告
       
                      平成22年10月6日(水)
          講師/清水 信次 潟宴Cフコーポレーション会長兼CEO
               三橋 貴明 作家・経済評論家

 
「結局のところ消費税はどう考えるべきなのか?」
 

清水信次氏 株)ライフコーポレーション会長兼CEO

  消費税の論議は戦前からあった。安定財源として世界192カ国のうち135カ国で消費税は導入され、税率も5〜27%と幅広い。人口5001000万人規模の国であれば高消費税で高福祉も実現できようが、1億を超える日本では現実的ではない。結局、ひとつの税としてはやむをえないが、日本の税目は世界でもずば抜けて多く、経済学者や財務省の主張する財政危機説もおかしい。企業と国家の財政は同じであり、借金があるというなら資産面も見なくてはいけない。ろくな資産も見当たらないギリシャと日本を同じに語ること自体がおかしい。日本は昭和初期から満州事変、大東亜戦争を経験し、いまでいう2000兆円もの臨時軍事費を投入し、焼け野原で無一文同然になった。そこから7年の占領期間を経て昭和27年にサンフランシスコ条約で独立を果たし、それからわずか12年で東京五輪を開催、ほどなく世界第二位の経済大国(現在は中国に抜かれ第三位に)へと駆け上がった。日本の現在の資産はインフラ、企業設備をはじめ8016兆円規模あることを忘れてはならない。日本は現在平和を満喫し、世界一贅沢な生活水準だ。政府のいうことは信頼ならない。

三橋貴明氏 作家・経済評論家

  菅直人氏の消費税に関する発言は財務相時代から迷走し続けている。景気対策の財源、あるいは財政破綻したギリシャの二の舞にならないよう、さらに社会保障の財源など理由はばらばらだ。消費税を上げたいという結論がまずあり、そこへのロジックを批判されるたびに変え続けているためだ。日本の財政状況はギリシャとは間逆であり、日本は世界最大の対純資産国で、貯蓄過剰に陥り消費と投資が減っているのが最大の問題だ。仮に日本で消費税を21%に上げてもギリシャのような状態になれば破綻するのは同じであり、消費税を上げる理由にはならない。

  日本が欧米の格付け機関からアフリカのポツワナと同水準とみなされた2002年、財務省は同格付け機関に対し、「日本は世界最大の貯蓄超過国、経常黒字国であり、自国通貨建て国債のデフォルトはありえない」との意見書を提出している。この報告書こそ日本経済の核心をついたものであり、こうした情報がメディアに大きく取り上げられれば日本財政破綻説など一蹴される。しかし、財務省は国内向けに発表は行っていない。消費税増の布石ではないか。社会保障の財源として将来的に消費税をアップさせることは問題ないが、デフレの現在実施すれば橋本政権時の二の舞となり、さらに財政健全化から遠ざかることは確実だ。まずは、正しい情報を国民間で共有することが必要だ。

1926年生まれの清水氏は、中曽根内閣時代からの元祖消費税反対論者。経済人として歴代政権に消費税についての提言を行い、現場で議論に加わってきた生き証人的存在でもある。実体験を踏まえた貴重な経済史の裏話が語られた。一方、三橋氏は公的機関が発表した資料、統計を細かに分析した説得力ある理論を展開。その後の質疑応答でも活発な議論が繰り広げられた。