「政民合同會議」活動報告
       
                      平成22年11月4日(木)
          講師/志方 俊之 帝京大学教授・元陸上自衛官
 
「尖閣列島事態、これからどうする日本」
 

 わが国は世界第六位の海洋資源保有国であり、現在、沖ノ鳥島、北方領土、尖閣諸島、竹島と四つの主権侵害問題があるが、これらの主権が維持できるかで日本の経済力は大きく変わる。
 現在、日本の海は、外国船による不法操業や調査活動、中間線におけるガス田の試掘、尖閣諸島事態に見る外国艦艇による領海侵犯もあり、決して安泰ではない。これはわが国が国家意識に欠け、海を縦割り行政で管理し、他国による領海侵犯を放置してきたことが原因だ。
 一方、中国が領土問題で強硬なのは、14億の民を養うエネルギーへの渇望がある。しかし、今回の尖閣諸島の衝突事件によって、東南アジア諸国が中国の覇権主義に対して警戒感を共有するようになり、脳天気だった日本人も経済成長した中国が平和な国家になるとは限らないと気付き、日米安保の意義を明確にした意義があった。中国の覇権主義に国際社会が中国への脅威を感じ始め、結果的に日本は得をしたとも言える。
 中国は、台湾、南沙、西沙、インドとの間に領土問題があり、国内ではチベット、ウィグル問題を抱え、反日デモが反政府デモの様相を呈するようになり、国内の不安定さも露呈。非常に苦しい立場にある。
 日本は、今後、中国の挑発行為に対して凛として挑発には乗らず、道義的国家として世界に尊敬される国家を目指し、国際世論を味方につけることが必要だ。 同時に尖閣諸島で既成事実をつくらせないよう、民間人を住まわせたり、離島で日米共同の離島防衛訓練を実施するなど主権維持の具体策にも早急に乗り出さなくてはならない。また、経済の中国依存を少しずつ修正していくことだ。同時に憲法改正も視野に入れた危機管理の在り方も議論し、情報収集・分析力を強化する必要がある。将来は米ロも含めた連携によるソフトパワーで中国を牽制することが必要になるだろう。

その後の質疑応答でも活発な議論が行われた。