「時局プレス会議」活動報告

 「朝鮮半島情勢の行方」
平成21年11月18日

講師/池 東旭  ジャーナリスト
 




 今年8月、日本は民主党への政権交代に沸いたが、韓国では大統領ごとに、すでに10回以上の政権交代を経験したので、政権交代にあまり幻想をもってない。
 今年自殺した盧武鉉前大統領は「首都移転計画」のマニフェストで当選した。李明博大統領も選挙戦において、釜山とソウルを結ぶ「大運河計画」マニフェストを掲げたが、当選後軌道修正した。盧前大統領の首都移転マニフェストは不可能で、その計画白紙還元をめぐり与野党が激突している。マニフェスト後遺症である。
 リーマンショックによって一時韓国ウォンと株価は暴落したが、いまは沈静した。だがインフレの懸念が高い。サラリーマン社長の多い日本と違い、オーナー経営が主流の韓国企業はハイリスクでもハイリターンの経営で、景気回復のテンポも速い。韓国社会の欠点は人命軽視と安全管理の欠如である。最近の射撃場火災やデパート崩壊からもそれは明らかだ。核保有国である北朝鮮も、いずれ放射能漏れなど大事故を起こす可能性がある。
 それでも北朝鮮は核を手放さない。それは他に体制維持の手段がないからだ。「経済援助すれば人権問題も拉致問題も解決する」という意見もあるが、経済発展すれば民主化を要求する声が国内で高まる。そうなれば北の体制はもたない。日本人拉致問題も、記録を破棄する体制下で真相が解明できるはずがない。金正日総書記本人が拉致を指示した以上、犯人処罰は不可能だ。北で新しい政権が出現するまでこの問題は解決できない。
 おそらく、金総書記の余命は後2年というところだろう。三男の正雲氏が後継者に決まったと一時騒がれたが、金総書記の次・三男は帰国した在日朝鮮人女性が生んだ子で、差別意識の強い北朝鮮で後継者になれない。独裁者が指名した後継者は独裁者没後、その地位を保てないことは歴史が物語っている。最終的には、中国が後押しする軍人か党僚が政権を掌握すると見られる。
 南北朝鮮の経済格差には30倍もの開きがある。北朝鮮の難民は韓国の資本主義社会に適応するのに苦労している。現状で北朝鮮が崩壊すれば、日本にも最低20万人の難民が流れ込むだろう。日本の民主党政権の外交は「友愛」をモットーとしているが、相変わらず世界中にカネをばらまいて、感謝されず、馬鹿にされている状態である。出したカネにあう見返りを要求すべきである。日本政界も二世、三世の「お坊ちゃん」でなく、もっと鍛えられた腹の据わった政治家の出現がなによりも望まれる。
 日韓両国で「反日」「嫌韓」でメシをくっている輩がのさばっている。アメリカやロシア、中国など第三国はみんな日韓の反目を歓迎し、それで漁夫の利を占めようとする。みすみすその術中にはまることはない。もっと世界史的視野に立って両国関係を再吟味、構築すべき時がきている。(文責:時局心話會事務局)