| 「時局国際会議」活動報告 |
![]() 平成23年3月28日(月) 講師/岡崎久彦 NPO法人岡崎研究所所長・理事長 |
| 「最近の国際情勢と日本外交」
東日本大震災以降、わが国のメディアでは震災情報と原発問題ばかりが取り上げられ、世界の情勢が見えにくい。しかし欧米の評論では「日本民族は大変な民族であり、必ず立ち直る」「今年いっぱい経済は落ち込むが、年末になれば復興需要でむしろよくなり、世界経済に与える影響はさほど大きくない」など前向きな見方が多い。 震災復興に向けた挙党態勢を、と管首相から受けた入閣要請を自民党の谷垣総裁が拒否したことは非常に残念であった。入閣条件としてばらまき予算の廃止、教育、外交、防衛担当相のポストを要請するなど実現の可能性はさておき、交渉の余地はあった。かつて第二世界大戦直後のフランスのドゴール臨時政権が、共産党も交えた挙党態勢時、「国を守る軍隊、知恵を守る警察、国民の将来を託する教育だけは絶対左翼には渡さない。それ以外のことは譲ってもいい」と言ったが、外交、防衛、文教は保守主義者が握っていないと非常に危なかしい。 海外のメディアはチュニジア、エジプトなど中東の情勢が中心だ。リビアの場合は外国人傭兵で国内の治安を維持しており、軍の動向はわからない。カダフィ軍の反乱軍虐殺が予想されるが、そうなれば米国は建国の原則上リビアに介入せざるをえない。OPEC内で意見を異にするサウジの石油増産が見込まれることから世界の石油需給に与える影響は少ない。次に民主化するとすればイランになるだろうが、そうなればサウジアラビアの王政にも危機が訪れる。また、エジプトの今後の政変如何でレバノンから第五次中東戦争が起こる可能性も否定できない。 米中関係は昨年一年の間に親中から反中に激変。米中関係は軍事バランスで危機的な状況にあり、新兵器の開発如何で両国の軍事バランスが崩れれば極東の平和が脅かされることになるだろう。 岡崎氏は元サウジアラビア大使としての中東情勢に対する各国の歴史的背景を踏まえた深い見識、鋭い分析を披露。その後の質疑応答でも米中関係に一喜一憂するだけでなく今後の集団自衛権の行使を含めた日米同盟の深化の是非、軍備の必要性など活発な論議が行われた。岡崎氏は、この二年ほど日米の事務レベルがかつてないほど親密な状況にあり、「日米関係の今後には全く不安を感じていない」とも語った。
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