| 「政民合同會議」活動報告 |
「よい国 日本をつくろう」 ![]() 平成21年10月7日 講師/中田 宏 前横浜市長 |
わずか37歳で横浜市長に就任した中田氏が現場で経験したのは「激変緩和」「特例」「暫定措置」の名の下に、改革が最後までやり遂げられず、成果が出ないまま悪化するケースがあまりに多いことだった。 どんな改革案を出しても、まず例外なく反対に遭う。これは一般的な企業も同様だろうが、民間と行政の違いは「運命共同性」があるか否かである。行政は潰れないし、昇格はあっても降格がないから、公のために尽くすという志を失ってしまう公務員があまりに多いのだ。 意志を持って向上しなければ人間は成長しない。また無条件に「成長」「拡大」を前提とした仕組みは、すべて見直さねばならないのだ。中田氏は「存続できる行政の適正規模」を目指し、各方面で改革を断行。市営バスや水道も統廃合を徹底し、値上げなしで赤字から黒字への転換に成功した。34000人いた市の職員を26800人まで削減し、6兆2000億円あった横浜市の借金を1兆円減らしたのだ。 ポイントは無分別で捨てていたごみを15種類に分別するなど、市民参加型のシステム改革である。巨大焼却炉プラント業界に談合させて税金から高い処理費用を取るより、分別回収でごみの量を減らす方が根本解決になる。大事なのは市民の意識に呼びかけることであり、そのためにも地方分権が急務なのだ。 8月16日、中田氏は7年半在職した横浜市長を退任したが、それは次の体制を作り、改革を継続させるためだった。3月に任期満了の市長選となれば、次は市議会議員の思惑で「政党まみれ」の市長が送り込まれ、改革がストップすることは目に見えているからだ。 わが国を建て直せる時間はあまり多くない。麻生前総理は「日本経済は全治3年」と言っていたが、中田氏は「余命3年」といってもおかしくないと言う。「世界第二の経済大国」の座も中国に奪われた今、日本の存在感は薄れる一方であろう。日本が三流国になるという事態が訪れようとしているからだ。 今こそ、自由・責任・相互尊重を全員が共有しなければならない。そしてその対極にある管理・役人政治、また責任なき放任主義からの転換をはかる必要があるのだ。それは一言でいえば「自立」である。個人が、地方が、国家がそれぞれ責任を持って自立しなければならないのだ。国家の自立は経済力・軍事力・交渉力を備えてはじめて可能になる。地方分権も福祉も、すべてが「自立」を目指して構築されるべきなのだ。 中田氏は今「日本よい国構想」を設立し、国民運動を展開しようとしている。市民ならぬ「志民」を育て、日本を変えていきたい、と訴える中田氏の熱意とビジョンに多くの参加者が魅了され、絶賛の声が次々にあがった。 (文責/高村 時局心話會事務局) |