「政民合同會議」活動報告

韓国の大統領選挙と対北政策
平成19年11月7日
講師/黒田 勝弘  産経新聞社ソウル支局長
 
 韓国の大統領選挙がいよいよ今年12月19日に迫った。現在は保守派のハンナラ党が独走体制にあり、李明博(イ・ミョンバク)候補は圧倒的な人気を誇っている。10年続いた親北の金大中・盧武鉉政権が過去にとらわれた「ネクラ」イメージだったのに対し、現代建設の社長、ソウル市長へとサクセスストーリーを歩んだ李候補は未来志向の「ネアカ」のイメージを体現している。しかし元土建屋である李候補にはスキャンダルも多く、11月7日の段階になってハンナラ党から李會昌(イ・フェチャン)候補が出馬するなど党内分裂の兆しも見えてきた。状況はまだまだ不透明であり、最終的には与野党接戦になるのではないか。
 最近、中国は朝鮮族自治州など、中朝国境地帯に中国化の波を及ぼしつつある。経済的に日中に挟まれた「サンドイッチ状態」にある韓国では、中国に呑まれるのを防ぐため日米サイドに揺り戻そうとする動きがみられるようになった。現盧政権の北支援には、やはり中国寄りになりつつある北朝鮮の対中依存度を減らすという一面もある。今後の選挙戦の上で、対北政策が大きな焦点となることも考えられよう。北朝鮮に対する韓国国民の関心はあまり高くないものの、建前としての「民族統一」への思いは保たれているので、どんな政権が生まれようと対北支援体制は現状維持が続くのではないか。最近の南北合意も、北支援続行のためタガをはめたものだ。
 また急速に少子化が進む韓国は今後、高齢化社会のモデルとしての日本を必要としている。政府や外交・メディアなどは依然として反日だが、一般国民との認識差が目立つ。日本を訪れる韓国人の数は急増し、人々の対日意識が変わりつつある。少なくとも、かつての歴史教科書問題や竹島問題のような形で反日感情が集団行動となって爆発することはないだろう。今回の選挙などによる政局転換は、韓国を大陸勢力(中国)化から再び海洋勢力(日米)側に引き戻す機会であることが指摘された。
 日本屈指の韓国通による講演に、当日は各社マスコミをはじめ多数の参加者が集い、質疑応答では活発な意見が戦わされた。




(文責/高村 時局心話會事務局)
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