| 「政民合同會議」活動報告 |
![]() 平成23年5月11日(水) 講師/天川 由記子 国際関係学研究所所長 |
| 「日米関係の舞台裏」 政権交代以来、今ほど日米関係が揺らいでいるときはない。2001年の9・11に際し、日本は同盟国の中でいち早く米国への支持を世界に向けて表明するとともに、イラクへ自衛隊を派遣した。こうした人的貢献が功を奏し、小泉―ブッシュ時代には両国間に大きな経済的な摩擦はなく、日米同盟は盤石であった。外交は日頃のつきあいが肝要だが、いまや官邸とホワイトハウスの日常的なコミュニケーションは全くない。 米国はビンラディン殺害に際して韓国やロシアに事前通告したが、日本には行わなかった。日本政府が一切の資金援助も人的貢献もしていないことへのあからさまなパッシングだ。 また、日本は概して危機管理が非常に甘い。米国は核攻撃などあらゆる攻撃に際して迅速に対応できるよう危機管理センターが整備されており、2001年の9・11の際には米の危機管理の凄さを目の当たりにした。以来、内閣官房長官のアシスタントとして歴代政権に日本でも同様のシステムを導入すべく提言してきたが、いまだ実現には至っていない。 危機管理には迅速な対応が不可欠だが、今回の福島原発問題では、米仏が日本政府に援助を申し出たにも関わらず、政府はこれを拒否するという愚を犯した。危機管理の甘さ、判断力の欠如、初動捜査の間違いが原発問題を長引かせた原因だ。危機管理ができない総理の下では国民が不幸になる。 自民党時代が必ずしもベストだったとは言えないが、民主党は野党が長すぎ、明らかに経験不足であった。日米同盟を全く理解しておらず、全方位外交を目指しているといいつつ具体的なビジョンに欠け、危機管理もできていない。 このほか「神の国」発言で物議を醸し、メディアからバッシングを受けた森喜朗氏の人間味溢れる様子、親中派の代表と見られがちな福田氏が台湾外交で見せた絶妙な気配りなど、普段明かされることのない歴代首相の素顔や日米外交の裏話の数々が語られ、出席者を惹きつけた。その後の質疑応答でも今後の日米関係の再構築への懸念、米の対中姿勢への変化など活発な議論が行われた。 |