「時局国際会議」活動報告

平成23年9月21日(水)
講師/宗像 隆幸 台湾独立建国聯盟総本部中央委員・アジア安保フォーラム幹事
「総統選をまえにした台湾情勢」 

 次期台湾の総統選は来年一月に迫ったが、与党国民党も対する民進党も共に「現状維持」を掲げ、両党の差は極めて曖昧だ。台湾の有権者層に占める三分の一の浮動票が選挙の鍵を握ることになるだろう。旧正月中の立法委員(国会議員)選挙との同日投票が決まっていることで立法委員選挙は国民党に有利に働くとの予想もあるが、依然総統選は国民党にとって厳しいものになるだろう。

 台湾の世論の九割が「現状維持」を支持している。しかし、この「現状維持」とは、中国はもちろん、米国にも支配されず、独立国家として存在することである。四十年間も国際的に孤立していることを是としているのではないはずだが、民進党ですらこの肝心な問題を取り上げず、あいまいな「現状維持」に終始している。

 宗像氏は、米ニクソン政権の失策によって台湾問題がこじれた経緯などを含め、台湾が国際的に孤立するに至った歴史的経緯を国連憲章での記述を辿りながら詳細を検証した。そして「台湾が中国とは別の国家であることを明確にし、台湾の国名を中華民国から台湾共和国に変えるだけで台湾は国際社会に受け入れられる」と主張。

 「国際社会で承認されれば世界各国との国交も自由になり、国家としての地位は上がり、台湾は安全保障される」「台湾が独立国家としての地位を確立することは、米国及びアジア・太平洋諸国の基本的国益とも一致する」と述べた。このほか、中国による武力支配の可能性はない、としながらも中国に傾倒し、中国に有利な発言を繰り返す馬英九総統を批判した。

 その後の質疑応答でも、在日台湾人の出席者の方から、表現の自由が制限される台湾社会、台湾人気質などについての発言もあり、台湾への理解を深める非常に密度の濃い会議となった。