−中小・地域金融機関を中心に−
          時局心話會「2月東京時局講演会」(平成17年2月17日)毎月開催
講師/五味廣文 金融庁長官
演題/「最近の金融行政」-中小・地域金融機関を中心に



 近年の金融庁による金融改革プログラムの一つとして地域経済への貢献、中小企業金融の円滑化である。プログラムの一環として、技術力や販売力、成長性などを判断基準として盛り込んだ中小企業の金融検査マニュアルが作られた。このマニュアルは検査官や金融機関が主に用いているが、企業経営者もこれを読んで、検査官に主張できるようにしておくのが望ましい。中小企業を大企業と同じ基準で監査すると、設備投資の面などで不良企業と見られ、貸し渋りを受ける場合も多い。しかし中小企業に資金が回らなくなれば、日本経済の根幹が機能不全に陥ってしまう。企業側も金融機関の回復をただ待つのではなく、積極的に金融について学び、声をあげてほしいと五味長官は提言。「金融の枠組みやマーケットの可能性が利用者に最大限に提供されるようにするのが金融行政の仕事」と、金融庁の役割を総括した。ペイオフ解禁や不良債権処理についてフロアから寄せられた質問にも明快に応じ、日本の金融行政のトップにふさわしい充実した内容の講演であった。                             






 会場内から、時局心話會のメンバーである株式会社ライフコーポレーションの会長兼社長の清水信次氏からのご発言があった。                                                       



 


時局解説/真壁昭夫 信州大学大学院特任教授
演題/「最近の金融情勢」-企業と金融機関の関係-





 真壁氏は五味氏の講演を受け、ペイオフや改革プログラムについて、さらに企業に密着した視点から論を進めた。ペイオフは平成14年の一部解禁の時、預金者の側でかなり対応が進んでいるし、「決済用預金(@利子がつかない、A決済サービスを提供する、B要求払いに応じる、の3条件を満たした預金口座)」を適用すれば全額保護されるので問題はない。金融機関でも、一般企業の売り上げに当たる貸出金がずっと減っているので、ここしばらくは銀行が企業への貸出を積極的に行うであろう。また金融改革プログラムのなかで、銀行と証券と保険が一緒になる金融コングロマリットという世界的な流れに乗って、欧米との激しい競争のなかでも生き残っていける、協力な金融機関づくりを行おうとしている。三井住友と大和証券の経営統合が話題になったように、これからは日本でも金融コングロマリット化が進められていこう。